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通信機器分野への進出が、EMSをして単なる製造の下請けをこえて、みずからはブランドをもたずメーカーに代わって製品を生産することから、「影のメーカー」へと飛躍発展させるきっかけとなった。 それまでのコンピュータ産業分野のEMSは大量生産と低コスト生産をまず要求されたのに対して、通信機器分野に進出した結果、EMSはより高度なエンジニアリング力、信頼性と品質などを要求されるようになった。
ベーコン&ブライトン論文は、そのことが製造関連一括受託企業としてEMSの新たな発展のきっかけとなったと指摘している。 EMSの労働条件が低位にあること、大量生産による部品調達コストの引き下げ、顧客企業における設備投資の削減などによって、コスト削減を達成できる。
パーソナルコンピュータなどライフサイクルの短いタイプの製品にとって重要な要素である。 生産計画にあわせてEMSを活用することによって、顧客企業は生産の変動に対応しやすくなる。
EMSはマルコム・ボルドリッジ賞を受賞するなど品質管理に力を注ぎ、顧客企業の満足度も高い。 プリント配線板の生産や組立がEMSの中心事業だった当時、EMSに求められたのはコスト削減である。
その当時、EMS各社は、大量生産によってコストダウンに取り組む一方、より低廉な人件費など低コストを求めて多くの発展途上国に新たな工場を立地させていった。 そういう意味で、途上国にEMSの拠点が存在するのは当然である。

しかしながら、EMSを考えるときに忘れてならないのは、今日でもなお多くのEMSが北米に拠点を構えているということである。 ベーコン&ブライトン論文の中でケーススタディとして取り上げられているEMS大手の一つである SCIシステムズは、1999年当時アメリカを含む世界17カ国で34工場を運営していたが、そのうちアメリカとカナダに加えEU内8カ国で活動を行なっている。
従業員ベースでも、全世界で2万人をこえる従業員のうち、約半数の1万人強を北米で雇用していると紹介されている。 この背景にあるのは、すでに何度もふれているように、コンピュータや通信機器の急速な技術革新である。
生産工程の下請企業から製造関連一括受託企業へと脱皮したEMSは、顧客企業からの技術移転をスムーズに行なうため、また急激な技術革新に遅れないようにするには、顧客企業の近くや先進諸国に拠点を構えざるをえなくなっている。

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